創業融資を検討する際、ほぼ必ず求められるのが 事業計画書 です。
しかし実際には、
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書類は提出したが、融資に通らなかった
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何がダメだったのか分からない
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数字に自信がなく、説明できなかった
という相談が後を絶ちません。
結論から言うと、
融資に通る事業計画書には「型」と「視点」 があります。
この記事では、
行政書士 × 元銀行員 という立場から、
金融機関が本当に見ているポイントを踏まえた
「創業融資に通る事業計画書の作り方」を徹底解説します。
なぜ事業計画書が創業融資の合否を決めるのか?
創業融資では、決算書や実績がありません。
そのため金融機関は、次の3点を 事業計画書だけで判断 します。
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この事業は本当に成り立つのか
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借りたお金を返せるのか
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創業者は信頼できる人物か
特に 日本政策金融公庫 や信用保証協会付き融資では、
事業計画書=あなた自身の評価資料と言っても過言ではありません。
創業融資に通る事業計画書の全体構成
融資に通りやすい事業計画書は、次の構成が基本です。
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創業の動機・目的
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事業内容・商品サービス
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市場環境・競合分析
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販売・集客方法
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売上・収支計画
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資金計画・資金繰り
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創業者の経験・強み
重要なのは、順番とつながりです。
プロが見る① 創業の動機は「想い+現実」
銀行員が最初に見るのは「なぜこの事業なのか」。
NG例
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なんとなく独立したかった
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自由に働きたかった
OK例
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前職で〇年間経験し、顧客ニーズを感じた
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地域に〇〇の課題があり、解決できると考えた
👉 想いだけでなく、現実的な裏付けが必要です。
プロが見る② 事業内容は「誰に・何を・どうやって」
融資担当者は業界の専門家ではありません。
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誰が顧客か
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何を売るのか
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どうやって提供するのか
を 中学生でも分かるレベル で書くことがポイントです。
プロが見る③ 市場・競合分析は「調べた形跡」が重要
創業融資では、
市場調査の深さ=本気度 と判断されます。
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商圏はどこか
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競合は何社あるか
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自社の強みは何か
👉 「競合がいない」はマイナス評価になることもあります。
プロが最重視④ 売上・収支計画はこう作る
ここが 融資の合否を決める最大ポイント です。
売上の基本式
銀行員が見るポイント
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数字の根拠が説明できるか
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売上が急激に伸びすぎていないか
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経費が現実的か
👉 「希望」ではなく「再現性」が重要です。
プロが見る⑤ 資金計画・資金繰りの考え方
創業時に多い失敗が、借入額が少なすぎること。
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売上が立つまでの生活費
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運転資金
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想定外の出費
を含めて、余裕ある資金計画を立てると評価が上がります。
元銀行員だから分かる「落ちる事業計画書」の特徴
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数字が感覚的
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説明と数字が合っていない
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補助金ありきの計画
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資金繰りの視点がない
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事業内容が抽象的
👉 内容より「伝え方」で落ちているケースが非常に多いです。
行政書士×元銀行員が作る事業計画書の強み
起業専門の行政書士、かつ元銀行員であれば、
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融資審査目線での構成
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銀行が質問するポイントを事前に想定
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面談での受け答え対策
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融資後の資金繰りまで見据えた計画
といった 「通すだけで終わらない支援」 が可能です。
まとめ|創業融資に通る事業計画書は「準備で決まる」
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創業融資は事業計画書が9割
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金融機関は再現性と継続性を見る
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数字には必ず根拠を持たせる
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プロの視点を入れることで通過率は大きく変わる
創業融資はゴールではなく、スタートです。
無理のない計画で、長く続く事業を作ることが本当の成功です。


