創業・起業後、資金繰りが厳しくなったときに選択肢として出てくるのが
**リスケ(返済条件変更・リスケジュール)**です。
しかし、
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リスケをすると信用がなくなるのでは?
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二度と融資を受けられなくなる?
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本当にやっていい判断なの?
と不安に感じる方も多いでしょう。
この記事では、
リスケの正しい意味・メリット・デメリットを整理し、
どんな場合にリスケを検討すべきかを分かりやすく解説します。
リスケ(条件変更)とは何か?
**リスケ(リスケジュール)**とは、
金融機関と相談のうえで、借入金の返済条件を変更することを指します。
主な内容は、
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月々の返済額を減らす
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返済期間を延ばす
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一定期間、元金返済を止める(据置)
などです。
👉 借金を踏み倒すものではなく、
事業を継続するための正式な手続きです。
リスケのメリット
① 資金繰りが一気に楽になる
最大のメリットは、
毎月の返済負担が軽減されることです。
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支払いに追われなくなる
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運転資金を確保できる
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資金ショートを回避できる
👉 「倒れる前に立て直す時間」を確保できます。
② 事業を継続できる可能性が高まる
返済を続けられずに倒産してしまえば、
事業は終わってしまいます。
リスケは、
✔ 事業を続ける
✔ 雇用を守る
✔ 立て直しの時間をつくる
ための経営判断です。
③ 金融機関と「話し合いの関係」を維持できる
返済を止めてしまうと、
金融機関との信頼関係は一気に悪化します。
一方、リスケは、
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事前に相談
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正直な説明
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改善計画の提出
を行うため、
関係を断ち切らずに済むというメリットがあります。
リスケのデメリット
① 新たな融資を受けにくくなる
リスケ中は、
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原則として追加融資が難しい
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他行からの借入も厳しくなる
というデメリットがあります。
👉 そのため、
本当に必要なタイミングを見極めることが重要です。
② 借入期間が長くなり、総返済額が増える可能性
返済期間を延ばすことで、
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利息の支払総額が増える
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借金が長期間残る
という点は避けられません。
③ 精神的なプレッシャーがかかる
リスケをすると、
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「失敗したのでは」と感じる
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周囲に知られたくない
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将来への不安が増す
という精神的負担を感じる方もいます。
👉 しかし実務上、
リスケは珍しいことではありません。
リスケを検討すべきタイミングとは?
次のような状況なら、
早めにリスケを検討すべきサインです。
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返済後の残高が毎月減り続けている
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3か月以内に資金ショートの恐れがある
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売上改善には時間がかかる
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借入返済が経営を圧迫している
❌ 返済が止まってからでは遅い
⭕ 「苦しくなり始めた段階」での相談がベスト
リスケと追加融資、どちらを選ぶべき?
| 状況 | 適した選択 |
|---|---|
| 一時的な資金不足 | 追加融資 |
| 返済負担が重すぎる | リスケ |
| 売上回復に時間がかかる | リスケ |
| 成長投資が必要 | 追加融資 |
👉 多くの場合、
専門家を交えて判断することが安全です。
リスケを成功させるためのポイント
✔ 早めに相談する
✔ 数字を整理する
✔ 経営改善計画を用意する
✔ 正直に説明する
✔ 専門家を活用する
この5つを押さえることで、
リスケ後の立て直し成功率は大きく上がります。
まとめ|リスケは「失敗」ではなく「経営の選択肢」
リスケには、
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資金繰りが楽になる
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事業継続の可能性が高まる
という大きなメリットがある一方、
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新規融資が難しくなる
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借入期間が長くなる
というデメリットも存在します。
重要なのは、
感情ではなく「経営判断」として冷静に選ぶことです。
資金繰りに不安を感じたら、
「まだ大丈夫」と思わず、
早めに相談することが最も賢い選択です。