起業や創業を考えたとき、多くの方が検討するのが創業融資です。
しかし実際には、
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「融資を受けるとどうなるのか」
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「メリットだけでなくリスクは?」
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「銀行ではなぜ詳しく教えてくれないのか」
といった疑問を抱えたまま、話が進んでしまうケースも少なくありません。
この記事では、**金融機関の立場では語られにくい「創業融資の本当のメリット・デメリット」**を、起業支援の専門家目線で分かりやすく解説します。
創業融資とは?簡単におさらい
創業融資とは、起業・開業時に必要な資金を調達するための融資です。
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会社設立前後
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個人事業主としての開業時
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創業から概ね5年以内
に利用できる制度が多く、自己資金と組み合わせて事業をスタートさせます。
創業融資のメリット(銀行が強調しがちな点)
① 自己資金が少なくても起業できる
創業融資を使うことで、
手元資金をすべて使い切らずに起業できます。
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設備投資
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仕入れ資金
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運転資金
を確保し、余裕を持ったスタートが可能です。
② 信用実績(金融機関との取引履歴)が作れる
創業時から融資取引があると、
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将来の追加融資
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事業拡大時の資金調達
がしやすくなります。
**「創業融資=将来への投資」**という側面もあります。
③ 返済期間が比較的長い
創業融資は、
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5年〜10年
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設備資金はさらに長期
で組めることが多く、
月々の返済負担を抑えやすいのが特長です。
銀行ではあまり教えてくれない創業融資のデメリット
ここからが重要です。
創業融資には、必ず理解しておくべきリスクがあります。
① 融資=「借金」であることを忘れがち
創業融資は補助金とは違い、
必ず返済が必要です。
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売上が思ったより伸びない
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開業後すぐに黒字化できない
場合でも、返済は止まりません。
👉 返済原資を考えない融資は、資金繰り悪化の原因になります。
② 融資を受けると資金感覚が狂いやすい
創業時にまとまった資金が入ると、
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無駄な設備投資
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広告費の使い過ぎ
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人件費の先行投資
をしてしまうケースがあります。
「使えるお金」と「使っていいお金」は違う
この感覚が非常に重要です。
③ 事業計画が甘いと、後で必ず苦しくなる
創業融資では事業計画書を作成しますが、
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とりあえず融資に通すため
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数字の裏付けが弱い
計画で進めてしまうと、
開業後に現実とのズレが一気に表面化します。
銀行は「融資実行」までが仕事。
事業が続くかどうかまでは責任を持ってくれません。
④ 返済が始まるタイミングを誤解している人が多い
「最初は返済が楽」と思っていても、
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据置期間終了
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売上が安定しないまま返済開始
となると、資金繰りが急激に苦しくなることがあります。
創業融資で失敗しないために本当に大切なこと
創業融資を成功させるポイントは、
「いくら借りられるか」ではありません。
✔ いくらなら無理なく返せるか
✔ 売上が想定より下がった場合の対策
✔ 融資後の資金繰りシミュレーション
これらを創業前に考えきることが重要です。
創業融資は「相談相手」で結果が大きく変わる
銀行や金融機関は、
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審査
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融資実行
が役割です。
一方で、起業家に本当に必要なのは、
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事業が続くかどうか
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返済と経営のバランス
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長期的な資金繰り
まで一緒に考えてくれる存在です。
まとめ|創業融資は「正しく使えば最強、間違えれば最大のリスク」
創業融資のメリット
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起業資金を確保できる
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信用実績が作れる
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長期返済が可能
創業融資のデメリット
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借金である
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資金感覚が狂いやすい
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計画が甘いと資金繰りが破綻する
創業融資は、
「借りること」より「どう使い、どう返すか」がすべてです。
起業を成功させるためにも、
融資前の段階から、第三者の専門家に相談することを強くおすすめします。
